2018年上半期ベストソングTOP15【レビュー】

今年に入って琴線にふれた音楽たちを振り返っておこうと思う。

今年は20周年とか節目を迎えるバンドが多い印象。
良い音楽が多いから絞って順位づけするのに苦労した。

さっそくランキング順に紹介していこう。

15位:Saucy Dog「コンタクトケース」


部屋で独り言をつぶやくような未練がある悲痛なバラード。
それでも爽やかに聴けるのはボーカルの声が良いからかな。

愛し方がさ、ひとつじゃないのは 当たり前なんだよ
ありふれていたとしても

オクターブで重なるコーラスは、男女混声ならではの清涼感のある響き。

14位:日食なつこ「空中裁判」


裁きを受けて空に散った敗者の歌だけどとてもさわやか。
ストーリーを想像する余白があって何度も聴きたい。
鋭く切り込んでいく詞が得意な日食女史の歌の中ではストレートで新鮮。

13位:cero「魚の骨 鳥の羽根」


単純に考えたらブラックミュージック×シティポップだけど、そんなに簡単な化学反応じゃない。
よりディープで民俗音楽のようにその土地に強く根付いてる息吹。
そういう"土着的な"エッセンスから音を作っている印象。
アルバム全体を通して言えることだ。
自分の中でかみ砕くのに時間がかかって即答で好きって言えないけど、衝撃を受けた曲。

12位:The Wisely Brothers「庭をでて」


みずみずしい3ピース。
不協和音ギリギリの絶妙なコーラスがいつのまにかやみつきになる。
透明感がありながら一筋縄ではいかない雰囲気をまとう不思議な魅力。

11位:GANG PARADE「GANG2」


蛍光色の坊主がいるけどアイドルグループだよ!
ジャンルにとらわれない音楽性が持ち味だったギャンパレのさらなる新境地。

はみ出た分だけ 新たな続きが 溢れ出すの

過去を昇華してここからまた始まる。
9人の個性×ジャンルレスな歌で、変幻自在に駆け上がっていく姿が楽しみ。
くわしく書いています。

10位:KIRINJI「AIの逃避行 feat.Charisma.com」


KIRINJIのいよいよ近未来を航海するこの感じワクワクする。
愛とAI。ダブルミーニングなタイトルや世界観も楽しい。
ラップが自然となじんでいて聴いていて気持ちがいい。

9位:SEXFRiEND「Bacteria」


何しろアコースティックに弱いもんで。
没後20周年のhideのトリビュートアルバムのためにユニットを組んだMOROHA UK氏とBiSHのアイナ・ジ・エンド。
このカバーで知って原曲を聴いてみたらイメージの違いに驚いた。
けれど、疾走感とテクニックのあるギターと、その上で暴れまわるスキャットのような歌声がとても心地良い。
カバーはこれくらい大胆に変えてくれたほうがいいと思っている派。

8位:チャットモンチー「砂鉄」


PVないけどどうしても選びたかった。

好きでも嫌いでも好きさ
会っても会わなくても忘れない
ダメでもダメダメでも許すよ
どうせ嫌いにはなれない

関係性の深さってずっと一緒にいることじゃなくて、一緒にいない時間にどれだけ相手を思い出すかだと思う。

チャットモンチーの2人と作詞を手がけた元メンバー高橋久美子の絆。
こういう歌の舞台裏に弱い。
チャットモンチー、20代の青春をありがとう。

7位:踊ってばかりの国「Boy」


8分超の大作。もはや短編映画だ。
10代で経験した背伸びや悪さは、いつか青春にひとくくりに美化されてしまうもの。

脱げたサンダル この恋よ Forever

Foreverと願うこと自体が儚いことだ。
艶っぽくも芯のある歌声が魅力的。

6位:土岐麻子「Black Savanna」


でた、シティポップの化身。
土岐麻子というエフェクターを通すとなんでも洗練されて聞こえるような気がする。
都会の消耗する生活をサバンナに見立てた歌、こんなオシャレに歌える人いる?笑
ヒップホップに寄った言葉のリズム感がとても心地良い。
コード感を抑えた無機質なアレンジでクールに仕上がっている。

5位:吉澤嘉代子「ミューズ」


彼女の話すような歌声とビブラートがかかる時の独特な揺らぎが好き。
傷が多いほど光の乱反射で輝きが増す、なんて素敵な解釈だろう。
面と向かってじゃなく、横にいて肩を叩いてくれるような応援歌。

4位:Rei「New Days」


最近の若手ギタリストのなかでも突出したテクニックとセンスが爆発してるRei。
彼女のルーツであるブルージーなリフがたまらない。
サビの韻を踏んだ言葉の選び方も好きで、もうセンスしかない。

3位:東京スカパラダイスオーケストラ「ちえのわ feat.峯田和伸」


高校生の頃ゴイステが神様だったからそのままずっと聴いてるけど、歳を重ねたオッサン峯田の魅力が爆発してる。

めんどくさいのが愛だろ?
離れたくないんだ

不器用でもどかしくて、がんじがらめになった恋愛。
こんな煮え切らない男の歌を峯田和伸に歌わせたら右に出る者はいない。
喜怒哀楽を刺激するその歌声が大好き。

2位:永原真夏「ダンサー・イン・ザ・ポエトリー 」


何しろアコースティックに弱いもんで(2回目)
SEBASTIAN Xの最強歌姫。
歌うときは内から湧き出してくるエネルギーが目に見えるような真夏っちゃん。
オーラってこういうものなんだろうな、といとも簡単に納得させられてしまう。
そんな彼女のファックユアボーダー!という枠にはまらない意思が生んだこの曲。

ダンサー・イン・ザ・ポエトリー
雄弁な静けさを捨てて
そうしてまで君は
雑念で踊るのさ

無視できないどうでもいいことに振り回されて”雑念で踊る”のかもしれない。
そんな悲しい性を静かに浮き彫りにする。
ギターと歌、シンプルなのにやけに心に残る。

1位:くるり「その線は水平線」


大きなスケールで愛しさにあふれている。
憑き物が落ちたように肩の力が抜けたテイク。
なぜだか強烈にいつかの懐かしさや哀愁みたいなものを呼び起こさせる。
その時の自分を映し出すような。
これから先、聴く人の記憶を刺激するトリガーになる予感がしてならない。
ただただ、ずっと聴いていたい。

まとめ

傾向としてフォーキーな音楽が好きという嗜好がもろに反映された結果になった。

泣く泣くランク外になったのは、小沢健二、BiSH、クリープハイプ、あいみょん、NakamuraEmi、kotoriあたりだった。

宇多田ヒカルはアルバム丸ごとレビューした!

現場からは以上です。

 

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