先日、初めての子どもを出産しました。

ごく近しい身内は初めてのお産でも2〜3時間というスピード出産だったので、わたしもそうなるんじゃないかと気楽に考えていたフシがありました。

そんな考えは激甘だった。とんでもなかった。

今から一緒に これから一緒に殴りに行こうか〜

今回は忘れられない初産の経験について、自分の記憶と夫に聞いた内容をまとめています。

※身体のことなど一部生々しい表現がありますので、苦手な方は読まないことをおすすめします。

妊娠・出産をひかえている人は「こんなふうに産まれるんだな~」と参考に読んでいただけたら幸いです。

予兆

予定日を2日ほど過ぎた22時ごろ。
とにかく恥骨がしくしく痛む。
トイレに行くと「おしるし」があった。
おしるしとは、子宮口が開くときに出る出血のこと。
いよいよだな...という感じ。
いつ陣痛が来てもおかしくないので、とりあえずお風呂に入る。
どうぶつの森をやって、いつもどおりpodcastを聴きながら就寝。

翌朝、再びおしるしがあった。
そして、そのくらいから本陣痛の前の前駆陣痛のようなものが始まった。

「これが陣痛...?」
痛いといえば痛いけど、我慢できない痛さではない。
痛みの強弱も一定ではない気がする。
陣痛は痛みでしゃべれないと聞いていたけど、一応会話はできる。

自分では判断できないので、8時すぎに病院へ電話。
スマホアプリで陣痛の間隔を測り記録。
陣痛らしきものは7分間隔くらいできていることを伝える。
「予定日を過ぎてるし一度みるので受診してください」とのこと。
母の運転で病院へ。

診察を経て入院へ

9時ごろ心電図をとり診察があった。
子宮口が5センチ開いているということで入院決定。

お産に向けた病院着に着替える。
助産師実習生も産まれるまで付き添ってお世話させていただきます、とのこと。
事前に承諾していたので同意書にサインする。

陣痛の波が定期的にやってくるので、実習生やお母さんに腰をさすってもらう。

12時すぎに夫が到着。
そして昼食が運ばれて来た。
食欲はあるけど、少し食べるとすぐ陣痛が襲ってきてあまり食べられなかった。

一番大事なのは呼吸のしかた

ベッドに横向きに横たわり、深く息を吐くことで陣痛の痛みを逃して、定期的にやってくる波をやり過ごす。
「いきみ逃し」とも言うらしい。
それをひたすら何時間も繰り返す。

呼吸をする時に意識するのは吸うより「吐く」こと。
なるべく長く一定の量の息を吐ききる。
それに集中することで少しだけ痛みがまぎれる。
身体は息を吐ききると自ずと息を吸うようにできている。

スタッフのすすめで、お産を進めるためにいろいろやった。

  • アロマが焚かれている中、ロッキングチェアに座って揺られる。
  • トイレに行ってみる。
  • 少量でもとにかく何か食べる。

陣痛の波が強くなってきていたが、早く産まれてほしい一心で言われたことは全部やった。

腰と尾てい骨あたりが痛い。
貧乏ゆすりが止まらないくらい痛い。
家族がテニスボールで押してくれたりさすってくれたりした。
でも、深呼吸で痛みを逃すのもしんどくなってきた。
夕飯が運ばれてくるが陣痛の波が強く、一口も食べられない。

お産が進んでいるのか分からない。
後ろ向きなことを考えないよう、無心で深呼吸を繰り返す。
時計を見る余裕もなく、何時間経ったのか分からなくなっていた。

陣痛室から分娩室へ

診察があって、子宮口は8センチくらい開いているとのこと。
20時ごろ分娩室へ移動した。

痛みで身体に力が入ってしまう。
陣痛間隔3分くらいから縮まらない。
深呼吸で逃すのも大変な、激しい痛みも出てきた。
疲れからかうまく呼吸できずに、痛みで叫んでる自覚はあった。
陣痛がおさまっている時間になるべく呼吸を整えて休んだり寝たりするよう声をかけられたが、なかなかそんなふうにうまくいかない。
でも、疲れと痛みで多分眠ってたんだろう。記憶がない。

気がついたら分娩室が薄暗くなってて夫と実習生しかいなくて、
陣痛の間隔も相変わらず短くならないままだった。

体感で3回に1回くらい、ものすごい勢いの陣痛がきて、深呼吸で痛みを逃せず叫んでしまう。

陣痛の波の合間に少しでも力を抜いて体を休めたり眠ったりするように言われるが、体が強張ってうまく休めない。
そして次の波がやってくる。
「辛いかもしれないけど、少しでも何か食べて」と言われる。
ビスケットを小さく砕いて口に運んでもらった。

陣痛の痛みは強まるけど、間隔は短くならないままだ。
疲れと痛みで、頭のなかは間隔が短くならない絶望感でいっぱいになってきていた。

もういっそ切って出してくれ...。
すぐそばにいた夫に、
「本当に産まれるのかな?」
と初めて弱音を吐いた。
心が折れそうだった。

寝ているのか寝ていないのか常に意識が朦朧(もうろう)としているところへ陣痛が来て、現実に一気に引き戻される。
その繰り返しだった。

短期決戦

日が変わったのか変わってないのか、何時間経ったか分からない。
ある瞬間ものすごい陣痛がきて、体に力が入って叫んだ瞬間、パンッと破水したのが分かった。
下半身に生暖かい感触があった。

次に気がついた時、何人かに取り囲まれて少し騒がしくなっていた。
みんな慌ただしく動き回っていた。

医師が、
「母子共に体力が落ちてきていて、羊水も濁ってきているので、短時間で一気にお産を終わらせます。
そのために陣痛促進剤を通常の2倍打ちます。
ごくまれに子宮破裂のリスクもあるので、ご主人は同意のサインをお願いします。」
と手短に説明をしてきた。

はっきりしない意識の中でも意味は理解した。
さらっといくつかすごく怖いこと言ってる...。
促進剤はお産が進むよう人工的に陣痛を誘発して間隔を短くする薬だ。
それを通常の2倍打つってどれだけの痛みが押し寄せるんだろう。
恐怖でしかなかったけど、もう早く終わりたいという思いだけで覚悟した。

夫は医師から説明された内容に動揺して「夫」という漢字が急に分からなくなり
同意書にひらがなで「おっと」と書いたらしい。
笑える。

促進剤をどんなふうに打たれたのか分からない。
だけど、明らかに強みを増した陣痛がどんどんやってくる。
もう自分では痛みで身体が跳ね回るのを抑えることができなくて、誰かに押さえつけられていた。
絶叫していた。
今までの人生で一番大声が出てたと思う。

足や腰回りに何か巻かれて、酸素マスクをとりつけられた。
助産師さんに「強い陣痛がきたら、思い切りいきんでください」と言われた。
それにあわせてお腹を押すという。

それから「叫ぶと力が逃げちゃうから、便秘の時みたいに声を殺してふんばるようにして」と無理な注文もされた。
(いま冷静に考えると痛みのスケールが違いすぎるけど、わかりやすい笑)

強い陣痛の波がやってくるたび、がんばっていきんだ。
もう裂けてもなんでもいい、早く出てきてくれ!とそれしか考えられなかった。
5回くらいいきんで、そのたびにお腹を思い切り押された。

もう下半身がしびれたようで感覚がなくなってきていた。
ただ、何か大きな塊が少しずつ下に下がっていくのを感じる。
家族も、あともう少し、もう出てくるよとずっと励ましてくれていた。

出てきた瞬間、すぐに赤ちゃんは泣き始めた。
おめでとうございます!と次々に声をかけられる。

私が横たわる近くで産後の処置をされている、産まれたばかりの我が子の様子を気にするような余裕は全くなかった。
感動や安心感で涙することもなかった。
「終わった...」ということしか考えられず、ただ分娩台の上で放心状態だった。
夫や母は処置の隙を見て、控えめに赤ちゃんの写真を撮っている。

結局、夜中4時ごろに出産となった。
子どもは何事もなく産まれてくれた。

ただ、3800gを超えていた。
そりゃなかなか産まれないわけだよ...。

「多く出血して傷も大きいので麻酔をして縫います」と言われた。
縫われている間は意識すると怖いのでずっと深呼吸していた。
立てている膝がプルプルする、もう下半身に力が入らない。

出産直後は疲れ果てて記憶があまりない。
ただ、頭は興奮状態なのか目は冴えていた。

休んでくださいと言われ、いつのまにか眠っていた。
目が覚めた時には2時間ほどしか経ってなかったけど、すっかり日が昇っていた。

助産師さんが
「快晴ですごく良い天気ですよ。こんな気持ちの良い日に産まれてくれて良かったですね。」
と言って、窓を開けて外の様子を見せてくれた。

肌寒い空気が少し入り込んできて、朝日が眩しかった。
長かった出産は終わったんだなとようやく実感できた。
なんだか清々しかった。

出産後に思ったこと

十人十色でまったく同じ形の「出産」は無い。

体験談を書いておいてあれですが、参考程度にしかなりません。

自分の母親がそうだったから、友達はこうだったからというのは、今考えると自分に当てはまることは少ないです。

24時間以上かかる人もいるし、分娩台に上がって15分で産まれたという話も聞いたことがあります。

ただ、振り返ってみると、出産のリスクは誰にでもあるんだなと痛感しました。

産後数日間は満身創痍でした。

医師、助産師さん、看護師さん、ほかにも命にかかわる仕事をする方たちの助け無くして子どもを産むことは出来なかった。
本当に尊敬します...。

何日か経ってようやくじわじわと嬉しさが湧き上がってきました。

また、入院中に起きた産後の身体のトラブルや、
妊娠中に本当にやっておいたほうが良いことなど
関連した記事をマイペースに書きたいと思います。

入院中、もう分からないことだらけで片っ端から体験談や知恵袋を検索しました。

それだけ質問や回答があるということは、みんな分からないことばかりだし、不安なんだということ。

同じ出産はないけれど、「こういうケースもあるんだ」と誰かの参考になれば幸いです。

現場からは以上です。

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