年間ベストを考えていたタイミングでこんなアルバム出されたら、全部持っていかれてしまうじゃないか。

ほかの記事はまた先延ばし。止めだ、止め~~。

ディアンジェロ、チャンス・ザ・ラッパーにブルーノ・マーズなど。

彼の口から出てくる海外のアーティストからヒップホップビートミュージックが来ることはなんとなく予想できていた。

とはいえ、どんな作品になるのだろうという期待があった。そういった要素を取り入れても星野源は星野源だった。

もう何周聴いただろうか。さっそく「POP VIRUS」を紐解いてみたい。

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アルバムとしての意義


はじめにかかる表題曲「POP VIRUS」、ここでアルバムの意味は決まったようなものだ。

刻む 一拍の永遠を
渡す 一粒の永遠を

一小節に気持ちがぐっと高揚したり、歌詞のたった一節に涙することがあるように、たった一瞬で音楽は様々な感情や風景を連れてくる。

その一拍を通り過ぎるたび、さまざまな気持ちが引き起こされるのだ。

このアルバム「POP VIRUS」は曲順に意味があって、アルバム一周で見えてくる"思い"にこだわって作ったに違いない。

それはたとえば、パートナーとの関係、付かず離れずの運命、過去との決別、さまざまな家族のかたち、未来への思いだったりする。
一言でいえば、曲ごとに投げかけられる視点からいろんな「関係性」を感じられる。

星野源本人の感情を歌詞に織り交ぜつつも、私小説のような日常の延長線上にあるファンタジー。
どこかで身に覚えがあるような気がしてリスナーの共感を呼ぶ。

さらにいえば、どの曲を聴いてもひかえめな愛が伝わってたまらない気持ちになる。
Dead Leaf
星野源
J-Pop
¥250

心をそのまま 伝える言の葉
見つからない いつまでも
---
これはさ 愛だ
ああ もっと似合った言葉がいいけど
一番古くて近い言葉

もどかしくて結局愛って言っちゃう。スマートじゃないからこそ美しい葛藤だと思わない?

どことなく不器用な「Dead Leaf」、めちゃくちゃに好きになってしまったよ。

この曲だけじゃなく、読み解いていけば結局どれも愛という言葉に集約されていいんじゃないか。

そして曲のストーリーが詳しく描写されるほど「自分の歌だ」と思えるから不思議だ。

自分のやりたい音楽とリスナーの共感。そのどちらも両立させてしまうなんてことは、星野源の感性だからこそ成せる技なんだと思う。

そしてやっぱりこのフルコースはこの順番で食べるから最高なんだよ。

星野源の今が詰まったビート


2曲目からもう「恋」が流れて、どこはかとなくモータウンのDNAを感じさせる「Get a Feel」に続く。

個人的には6曲目の「Present」から続く「Dead Leaf」「KIDS」「Continues」の流れが良すぎる。

先述した一番気に入ってる「Dead Leaf」は、ドゥーワップの権威・山下達郎のコーラスが入っている。

尾を引くメロウなソウル。後ろに比重をおいたノリのままユニゾンでキメが入り、なんとも気持ちがいい。

そして「KIDS」の言葉と音の収まりの良さ。言葉の細切れが小節をまたいでグルーヴを生み出していく。

「Continues」は連綿と続く"いのち"の歌。この曲自体のパワーがすごいし、詞のあちらこちらに細野晴臣リスペクトがちりばめられている。

とにかくジャンルの隔たりを溶かしながら星野源らしい音楽が心を侵食していく。

シングルリリースされた「恋」「アイデア」「Family Song」をきっかけに、少しずつ音を通じた表現の幅が広がっている。

「アイデア」についてのレビューはこちら

そこには生音も打ち込み音も分け隔てなく、お互いを引き立てあう音の渦があるだけだ。

タブーはない。今後もますます意欲的に新しい組み合わせで音楽を作っていくのだろう。

POP VIRUSとは

「POP VIRUS」は、星野源の今の思いを今かっこいいと思う音像に乗せて「どうでしょう?」と差し出されたアルバムだと思う。

その判断はリスナーに委ねられている。こんな"VIRUS"なら蝕まれてもいいな。

共感をかっさらって音像もかっこいいときたら、きっと売れるんだろうな「POP VIRUS」。

星野源が影響を受けた音楽についてはこちら。

だまされたと思ってあなたも一緒に聴こう。

現場からは以上です。

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