うれしいことにふじもとさんから記事のテーマについてお題を投げていただいた。

「最初に触れた音楽について」

あれ?なんだか既視感があるな、と思っていたら少し前に自分でこんなツイートをしていた。

そうそうこんなディスクを挙げていたなぁ。自分を作り上げた名盤たち。
わたしの嗜好が一つの大きな木だとしたら、間違いなく幹になっている音楽たちだ。

今回はこれをもう少し詳しく話してみたい。

The Beatles


当ブログでは今のところ日本の音楽しか取り上げていないので、ビートルズとは意外だなと思われるかもしれない。

はっきりと覚えている初めての音楽の原体験は、カセットテープに録音されたビートルズだった。父が70年代前後のロックを集めて今で言うプレイリストを作っていたうちの一つ。
それを当時小学生のわたしが押入れから発掘したのだ。

テープには通称"赤盤"、"青盤"と呼ばれるベスト版が収録されており、文字通りすり切れるまで聴いていた。

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また再編されたベスト版「One」のCDも買ってもらって聴いていた。
当然聴いてるだけじゃ意味なんて分からない。CDを流しながら歌詞カードの英詞と日本語訳を見比べて、どんなことを歌っているのか熱心に読んだ。

いったいビートルズの何に惹かれたのだろう。
Eleanor Rigby、ストリングスの美しさと物語の救いのなさの対比だろうか。
Lucy In The Sky With Diamonds、夢のある楽しげな光景の広がりだろうか。

Across The Universe、叙情的でありながら熱を帯びていく決意だろうか。
Starting Over、地道な愛をみずみずしく切り取るその優しげな眼差しだろうか。(あ、これはジョンのソロだ)
Lady Madonna、人のだらしなさをあけすけに歌う正直さだろうか。
親しみやすさとかっこよさ、惹かれるエッセンスがビートルズにはすべて詰まっている。

惚れた腫れたのラブソングだけがあふれかえっているように見えたテレビの邦楽。そことは明らかに違う世界。
初めて触れたのがビートルズじゃなかったら、きっとこんなに音楽が好きになっていなかっただろうな。

もちろん中にはシリアスな歌もある。けれどビートルズはこれほど魅力的な歌を並べておきながら「好きに聴いてればいいんだよ」って気負わせない、必要以上に歌を過信していないような気がする。

音楽の原点として体に心地良く染み込んで離れない。

宇多田ヒカル

最近書いたこの記事でも触れているけれど、彼女の出現をリアルタイムで見ていたわたしは一瞬で虜(とりこ)になった。

もう自分には夢の無い絵しか描けないと言うなら
塗り潰してよ キャンバスを何度でも
白い旗はあきらめた時にだけかざすの
今の私はあなたの知らない色

引用:COLORS

なにやら音楽がかっこいいぞ!とか、歌詞が独特だなとか、そういう単純な入り口から音楽に分け入って、ハスキーがかった歌声を素通りできずにいつまでも頭のなかで響かせている。

切なさを帯びた声には、活動を再開してからまた違う柔らかさが加わった。

その時々で届けたい音楽をやり尽くしているから、いつも最新を聴くのが彼女に対する真摯な姿勢というものだろうと勝手に思っている。

自分の節目にいつも側にいて、彼女とそして自分と孤独になって向き合いたい音楽だ。

シカ
まーたヘッドホンして引きこもってるよ、脳内に

根暗をなめてもらっては困るな。

GOING STEADY

つける薬が見つからない劣等感とか学校の囲い込まれた人間関係とか、ゴイステの轟音を浴びているときはそういう息苦しさを感じなくてすんだ。

アフロの峯田和伸がわたしの代わりに思春期の閉塞感を何度も破ってくれていた。

間違いじゃない 幻じゃない 僕らはそこにいた
まるで昨日のように

このFRIENDS(ENDLESS SUMMER)には10代で手に入れたい感情のすべてが詰まっている気がしてならない。そのシャカシャカしたアコギの音とリズムがブレる荒々しいドラムさえ今でも脳裏を刺激する。

the pillows

一筋縄ではいかない音楽が好きなのは間違いなくピロウズの影響がある。
はねたリズムと予想を裏切るコード感。
そして生意気で媚びない歌詞。

歩み寄るべきだ なんて思わないだろ?
探してる物は僕らの中で騒いでる

引用:TRIP DANCER

それからひねくれてるくせにピロウズのラブソングは極上なんだほんとに。
日々の飾らないけど幸せな瞬間、というのを切り取って投げつけてくる。

のんびりと言うか何なのか
四六時中うたた寝ばかり
全てにマイペースなキミが
僕を一番わかってる

部屋にいるだけで 何もない日も
キミとなら なぜか幸せ

引用:パトリシア

歌詞に出てくるのはだいたい「僕とキミ」。
そこに音を介するとその関係性にいつも控えめなあたたかさを感じてしまう。

記憶の鍵としての音楽

ビートルズを聴いていたときの光景は今でも思い出せる。

歌にはストーリーがある。
フィクションの筋書きに息吹を感じるのは日々を重ね合わせる自分の都合だ。
だけれども、その体験が記憶にかけがえのない彩りを添えてくれるから音楽が好きだ。

10代のキャパの少なさゆえの傷つきやすさとか高すぎる感受性はなくなって、たぶんもう忘れてしまったこともある。

幸いにもわたしは流れる音楽をきっかけに何かを思い出すことが多い。これからも音楽が寄り添う人生がいいなとぼんやり思っている。

あなたも最初に触れた音楽を思い出してはどうだろうか。

ふじもとさんの「最初に触れた音楽」の記事はこちら。

現場からは以上です!

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