Prince(プリンス)「Baltimore」|彼が遺した意思を社会へ示す音楽

プリンスは好きですか?わたしは好きです。

ディスコでいてメロウでもあり、その振り幅の大きさに驚きながら結局心地良く身をゆだねてしまう。

何年か前にたまたま耳にしてからすごく気に入ったので一時期繰り返し聴いていた。これ。


枯れたエレキと朗らかなアコースティックに心が躍る。
心地良いコーラスを従えながらミドルテンポで展開していくこの「Baltimore」。MVを初めてみたときこれはなにやら強いメッセージありそうだと思った。
プロテストソングとは知らずそれまでのんきに「あ~いい曲だわあ」って聴いてたよ。

実際のところは、アメリカ・メリーランド州のボルチモアで起こった事件がきっかけになった、平和への願いがこめられた曲だ。
プリンス、ボルチモアに捧げた曲を公開

日本では知識だけで実感が伴わない"争い"にまつわる話には蓋をしてしまうような風潮さえあるけれど、海外ではこうして意思表示としての音楽が当たり前に世に送り出されている。
いちおう断っておくと社会を反映した歌のほうが優れている!とかそういう話をしたいわけではない。
ただ日本では、音楽を通じてアーティスト自身が姿勢を示せるような強さを持ったり、表現の多様性を受け入れられる世の中になったとは言いがたくて。
そういう意味で、音楽が持つメッセージの力強さは海外の音楽にかなわないなと思うことがある。

Peace is more than the absence of war
平和とは ただ戦争が無いだけではないんだ
「Baltimore」より

この一節が胸に刺さったのと同時に、思い出すのは毎年8月6日・9日に流れるテレビ中継。

もうあと数年で100年をむかえる祈りは、この先も日本を明るい未来に導きつづけてくれるのだろうか。8月だけふと思い出す自分自身の意識のなさ。

プリンスの音楽の力を借りて、間接的に平和への意思表示ができたらいい。音楽を通じてならできるはずだ。
8月になると聴きたくなる「Baltimore」、あなたも歌詞とあわせて聴いてみてほしい。
以下のリンク先の記事に歌詞に和訳が添えられている。
プリンス、ボルチモアに捧げた曲を公開

現場からは以上です。

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