シカ
音楽は間違いないから!
な、名前は覚えなくていいから・・・

ミシェル・ンデゲオチェロ、最初に知ったのはベーシストとしての彼女だった。

今年になってカヴァーアルバムを出したとの情報を得て、久しぶりに聴いてみたらこれがびっくりした。

どこか湿り気を帯びたセクシーなボーカル。つぶやくような歌声がとても染み渡るのだ。
脱力しているようで自在に浮かび上がるような彼女の声には不思議な魅力がある。

元の楽曲をすべて知っているわけではないけど、どれも際立ったボーカルを軸にアルバム全体を通じて世界観が統一されていると感じる。

今回はアルバムから2曲取り上げるので、聴いてみて共感してもらえたらうれしい。

Sometimes It Snows In April


これは先日取り上げたPrinceの曲だ。

ゆらゆらと漂うような長いギターイントロからはじまり、決まったリフを繰り返す。
そして厳かさを湛えながら歌が合流してくる。

波もなく変化がないように思えるが、繰り返されるフレーズが印象に残って音が鳴り止んだあと余韻として残る。
浮遊感とともに響くギターとスネア、シンプルだけどリフレインのなかに宿るグルーヴがある。

Sometimes it snows in April
時には4月に雪が降る

Sometimes I feel so bad
時には気分がバッドになる

Sometimes I wish that life was never ending
人生に終わりがなければいいのにと願う時もある

And all good things, they say, never last
そしていい事はどれも長続きしないらしい

All good things, they say, never last
いい事はどれも長続きしないらしい

And love, it isn't love until it's past
愛は過ぎ去るまで愛ではない

和訳引用:時には4月に雪が降る

タイトルからして文学的で好きだなあと思う。英語にもシンプルで素敵な言い回しがあるな。
和訳引用させてもらった記事によると、ディアンジェロもカバーしているようだ。

Atomic Dog 2017


元はこれ。Pファンクのご機嫌な曲。

現代の才能のあるミュージシャンは自身のフィルターを通じて音をジャンルレスで融合させている。
独自の感覚で生み出した編集バランスを「センス」と呼ぶのなら、彼女も間違いなくそのセンスがあふれていると思う。

オウターブで音を重ねる主旋律。そこに重なるギターの裏メロ的なリフ。
繰り返すリフはファンクの骨組みそのままに、彼女の手にかかると一気にフォーキーでゴスペル色が濃くなる。
かと思えば機械的なシンセの音も差し込まれて、原曲そのままの犬の鳴き声までおしゃれに聞こえるわ・・・。

気持ちよさを突くセンスしかない。ファンクのギラギラした脂だけそぎ落としたような、ヘルシーでありつつも芯のある一曲。

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オリジナルアーティスト・楽曲情報

「Ventriloquism」収録曲
曲名/オリジナル・アーティスト名
01.「I Wonder If I Take You Home」Lisa Lisa & The Cult Jam feat. Full Force
02.「Nite And Day」Al B. Sure!
03.「Sometimes It Snows In April」Prince
04.「Waterfalls」TLC
05.「Atomic Dog 2017」George Clinton
06.「Sensitivity」Ralph Tresvant
07.「Funny How Time Flies (When You're Having Fun)」Janet Jackson
08.「Tender Love」Force MDs
09.「Don't Disturb This Groove」The System
10.「Private Dancer」Tina Turner
11.「Smooth Operator」Sade

ミシェル・ンデゲオチェロの音楽が気に入ったら、インストの世界にも足を踏み入れてほしい。

歌のない音楽もとてもいいものだ。

現場からは以上です。

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