うたばん、懐かしくないですか?
最近、カルチャー系サイトで気になる記事を見つけた。
「大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている」
これは思わず振り返りたくなってしまいますね。
私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていることが、新たな研究により明らかになった。
『NY Times』によると、リスナーの生まれた年が音楽の好みを左右しており、14歳の時に聞いた音楽が私たちの音楽の好みに最も重要な影響を与えるとのこと。今回おこなわれた、Seth Stephens-Davidowitzによる音楽の好みに関する研究。Spotifyのデータをもとに人々の聞く音楽を分析した結果、10代の時聞いた音楽が、その後の音楽の好みに最も大きな影響を与えることが判明した。
1960年~2000年のBillboardのチャートを調査し、それを年齢別の選曲ランキングと照らし合わせて分析。男性の場合は13~16歳の間にリリースされた曲が、大人になってからの音楽の好みに大きな影響を与えるとのこと。平均すると、男性の最も好きな曲は、14歳の時にリリースされた曲であることが多いそうだ。
女性の場合は男性より少し早い。11~14歳の時に聞いた音楽の影響が大きく、平均13歳の時にリリースされた曲が最も好きな音楽になるという。女性のほうが男性より幼少期に受ける影響が大きいらしく、好みを形成する年は思春期の終わりと重なることが明らかになった。
出典:FNMNL-音楽・ファッションを中心としたニュースメディア-
私が14歳だった頃は1999~2000年だ。
記憶をたどると、CDの形態がほぼ正方形のマキシシングルに定着しだした頃だ。
CDを買ったりレンタルして、自分の好きな曲を集めてカセットやMDに入れていた。
クラスメイトの間でも、おすすめを教え合っていた。
音楽番組もまだたくさんあって、CDが一番売れていた時代だった。
さて、基準となるチャートはどうなっていただろう。
14歳の時のヒットチャート
1999年 邦楽シングル年間ランキング
1位「だんご3兄弟」速水けんたろう、茂森あゆみ
2位「Winter,again」GLAY
3位「A」浜崎あゆみ
4位「energy flow」坂本龍一
5位「Automatic」宇多田ヒカル
6位「Addicted To You」宇多田ヒカル
7位「Movin'on without you」宇多田ヒカル
8位「LOVEマシーン」モーニング娘。
9位「BE WITH YOU」GLAY
10位「HEAVEN’S DRIVE」L'Arc~en~Ciel
「こんな曲もあったなあ」と懐かしさとともに久しぶりに思い出した曲もあった。
2000年 邦楽シングル年間ランキング
1位「TSUNAMI」サザンオールスターズ
2位「桜坂」福山雅治
3位「Wait&See ~リスク~」宇多田ヒカル
4位「Love, Day After Tomorrow」倉木麻衣
5位「SEASONS」浜崎あゆみ
6位「らいおんハート」SMAP
7位「恋のダンスサイト」モーニング娘。
8位「今夜月の見える丘に」B'z
9位「ちょこっとLOVE」プッチモニ
10位「NEO UNIVERSE/finale」L'Arc~en~Ciel
出典:年代流行
当時の記憶とチャートの内容を読み解くと、
- まさにその年の流行が反映されている(だんご3兄弟)
- 宇多田ヒカル vs 浜崎あゆみ
- モーニング娘。を中心にハロプロ界隈が売れ始めた
- 2大バンドの台頭(GLAY・ラルク)
ということが分かる。
14歳の時の音楽は今の好みに影響を与えているのか?
チャートに挙がっていた中では、今でも大好きで聴いているのは宇多田ヒカル。
その他、個人的に14歳ごろによく聴いていたのは下記の通り。
- GOING STEADY
- 19(ジューク)
- ゆず
- モーニング娘。
- HI-STANDARD
- The Beatles
- Oasis
GOING STEADY→銀杏BOYZ(バンド)→銀杏BOYZ(実質ソロ)となった峯田和伸は今でもヒーローなので、間違いなく14歳から今まで影響を受け続けている。
「YOU&I」GOING STEADY
そして、当時"ネオフォーク"と呼ばれた19やゆずも好きだった。
「ギター弾ければ自分で歌える!」と分かってギターを始めたのは彼らの影響が大きい。
「すべてへ」19(ジューク)
また、ビートルズやオアシスを通じて、海外の音楽シーンと時代をさかのぼって音楽を聴くことに興味を持った。
当時は夜10時から放送していた、ラジオ番組「やまだひさしのラジアンリミテッド」からどれだけ新しい音楽を知ったか分からない。
結論としては、大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている、間違いない。
ただ、それがすべてではなくて、高校時代~10代後半に聴いていた音楽も今にかなり影響している。
邦楽とCDの輝かしい時代
「14歳の時の音楽が今の好みに影響しているか」という話からは脱線するけど、2000年前後は邦楽の時代の中でとても輝かしい時代だ。
それはなぜかというと、
- 10年に1度到来すると言われるアイドルブームが来た(モーニング娘。などのハロプロ)
- ジャニーズの中では嵐が結成される
- 有名ロックバンドが出現(ポルノグラフィティ、BUMP OF CHICKEN)
- シンガーソングライターが売れる(宇多田ヒカル、椎名林檎)
という今も一線で活動しているアーティストが出てきているから。
この時代はCDもめちゃくちゃ売れていて、流通自体も邦楽史の中でピークだったと言われている。
2000年に1位のサザンオールスターズの「TSUNAMI」はその年288万枚売れている。
2017年売り上げ1位のAKB48の「願いごとの持ち腐れ」は139万枚。AKBグループの何枚も購入させる方式を持ってしても100万枚台にとどまっている。
この数字から見ても、2000年前後はCDという媒体での流通がいかに多かったか・売れていたかということが分かる。
音楽の「形」は変わっても「好み」は変わらない
いまは曲を聴いてみようとなればとりあえずYouTubeで検索する。
そして、一曲単位で音楽を買ったり、spotifyなどのサービスで音楽を無料で楽しむこともできる。
夜10時にラジオを聴けば「SCHOOL OF LOCK!」が流れている。
気がつくと音楽を取り巻く環境や形は、この十数年のうちにずいぶん変わった。
メジャーレーベルからCDを出すという手段だけではなくなったし、もはや人間が歌っていないものだってある。
今はプロも一般人も横並びになって、いろんな方法で音楽を発信したり情報を得ることができる。
みんなが同じ音楽を聴くということがほぼ無くなった。
どんどん多様化しているから、次の10年20年で聴いている音楽の形は予測できない。
でも、好きな音楽の雰囲気や好みはたぶんこの先も変わらないように思う。
あなたはどうですか?ぜひ14歳のころを振り返ってみてください。
近年のシティポップのルーツについての記事も書いています。
現場からは以上です!