シティ・ポップの波が再来しているという話。
Revival(リバイバル)=復活
シティ・ポップとは・・・
シティ・ポップは、日本のポピュラー音楽のジャンルのひとつ。主に1980年代に流行した、都会的なイメージを前面に出したポップスを指す。
ムード歌謡をよりポップで現代的にしたものや、高年齢層へのアピールを強く意識したソフトなロックなどの総称である。「和製AOR」などとも呼ばれる。
引用:Wikipedia
さらに言えば、シンガーソングライターのなかでもフォークではなくロックやポップス寄りの音楽、と定義されるらしい。
ここでいきなり結論出ちゃうんだけど、2つのバンドの音楽性の違い。
ルーツはそれぞれ、こういう方向性です。
Suchmos・・・ジャズにファンクやソウルの要素を取り入れた「アシッド・ジャズ」
cero・・・エキゾチックな「ポップス」
まずは聴いてみて欲しい。
Suchmos
体感としてここ2年ほどで勢いよく売れてるバンド。
「STAY TUNE」についてはもうお腹いっぱいだから別の曲を聴いてください。
「Pacific」
メンバー全員がスケーター。
こういう側面もあって、一気に10代20代のおしゃれアイコン的存在になったと思う。
サチモスのフィルターを通して発信される音楽や言葉は、必ずしも都会的なことをはっきり指してるわけじゃないんだけど
ルーツであるアシッド・ジャズとの掛け合わせで心地の良い音になっている。
そのさじ加減がサチモスのセンスだし魅力なんだと思う。
全体の雰囲気はおしゃれなのに「ちょっとハズシでアディダスのシャージ着ておくか」、
みたいな計算された小慣れ感が伝わってくる気がするのは私だけかな・・・。
ちなみにアシッド・ジャズは下に挙げたような音楽です。
アシッド・ジャズの代表格、ジャミロクワイといえばこの曲。
今年、久しぶりに東京にて来日公演があった。
「Visual Imsanity」Jamiroquai
こちらは、本格的にホーンが入ってよりファンク寄りの音楽。インコグニート。
昔、実際見に行ったけど、音源より断然ライブがいい。
「Listen to the Music」Incognito
cero
ceroについては、はっぴいえんどのDNAを継ぐもの。never young beachとyogee new wavesの聞き分け方。でも出てきた「はっぴいえんど」の影響も色濃いので、こっちの記事に入れようか迷いました。
「orphans」
「心地良い」という感想以外浮かばないんですが。
この音の浮遊感と、歌が上手すぎないところが絶妙なバランスだと思う。
ボーカルが違ったら、また全然違う音楽に聞こえるだろうし。
歌とホーンが同じメロディーで鳴っていたり、ホーンが追いかけてバッキングしてたりする。
それが終盤になって、サックス主体で奏でるホーンのハーモニーと歌のメロディー、別々の旋律が重なってくる。
その高揚感をもって終わる感じがすごく良い。
「Contemporary Tokyo Cruise」
冒頭からメロディーが強烈に残って、はじめから大団円感ある・・・!
途中、がらっと雰囲気が変わってカオスな展開に。
メロディーの印象として、トウキョークルーズというよりはチャイナタウンが浮かんでくる。
そして、ここで影響を受けたとされる細野晴臣氏の音楽を。
「東京ラッシュ」細野晴臣
トロピカル、エキゾチックと形容される時期の音楽。
リバイバルの波はどこから来ているのか
Suchmosとceroの話はいったん脇に置いておいて、ここ何年かで目立ってマルチな活動をしているアーティストに注目したい。
ミュージシャン、役者、エッセイ、ラジオパーソナリティーである星野源だ。
サブカルチャー界隈の枠に収まらず、さほど積極的に音楽を聴かない層にも認知されている。
その星野源は、はっぴいえんどやYMOで活躍した細野晴臣から影響を受けているし、親交も深い。
ヒットした星野源の「SUN」や「恋」を経由して、その前の世代の音楽に潜る人が増えたということだろう。
はっぴいえんどが確立した「シティ・ポップ」「シンガーソングライター」という形。
その流れを汲むアーティストは他にも、コーネリアスや小沢健二など数え切れないけれど、
コーネリアスや小沢健二、そして細野晴臣自身も今年新しい作品を発表している。
細野さんの言葉が、音楽のようだ。
だから、僕たちにはより音楽が必要なのだ。https://t.co/qkXedn84ny— 牧村(マキジイ)憲一 (@makiji) 2017年10月25日
音楽プロデューサーの牧村憲一さんの言葉で「音楽はスパイラルのように廻る」というのがあります。
過去からゆっくりと、ルーツの違う音楽性が混ざったりして潮流になっている。
タイミングによっては、分かれたり、混ざったり、いろんな表情を見せている。
いま世の中で鳴っている音楽も、その潮流の一部にすぎないし、
未来に影響を与えながらまたどんどん変化していくんだと思う。
【関連記事】
その音楽の流れをこれからも見守っていくのが面白そうだ。
それから、個人的な認識としては、シティ・ポップの概念はザル。
一概にこういうものと表現するのは難しく感じる。
それを良いことに、次は別のシティ・ポップを掘り下げます。
ではまた。