
Brand-new Idol Society新生アイドル研究会、頭文字をとってBiS。
BiSといえば「全裸」「樹海」「キャノンボール」「白塗り」「Jリーグ方式」など、ごく普通に想像するアイドルとは結びつかないキーワードとともに語られることが多い。
アイドル自体が多様化して定義がとても曖昧になっている今、肩書きはあまり意味のないものかもしれないが、そんなアイドル界隈の中でもタブーがない活動をしていると思う。
イロモノ?破天荒?そうかもしれない。
極端な印象を与えかねない話題を常に振りまいている。
現在のBiSは人気投票による1軍2軍体制で活動中だ。
もくじ
BiSとは?その魅力とは?
BiSの歴史をめちゃくちゃ端折って振り返ってみよう。
過激なパフォーマンスで狂信的なファンを生み出した旧体制のBiSは2014年に解散。
2016年に再結成するも旧BiSからのメンバープー・ルイが今年3月に卒業したため、現在の体制には初期からのオリジナルメンバーはいない。
モーニング娘。のように箱だけ継承されていく形をとっている。
新しいBiSとして再結成してからもメンバー加入・脱退・分裂など、すでに転機が何度も訪れている。ここ1年の出来事としてはいろいろありすぎた。
サザンオールスターズ桑田佳祐の言葉を借りれば「喜びから悲しみまで全部引き受けるのがアイドル」だという。
まさにそれはBiSのことじゃないかと思う。
BiSという活動にまつわる悲喜交々がそのままグループの起爆剤となってきたことはひとつの事実。
歌詞にも反映されるメンバーの生々しい感情は、アイドルという大きなうねりの中で強烈な光を放つ物語となってきた。
わたしもその光に集まってきた1リスナーに過ぎない。
スクラップアンドスクラップの土台の上に常に危なげなバランスで立っていて、だからこそ刹那の音楽とパフォーマンスが突き刺さってくる。
そして今後の動向が気になってしまうのだ。
どの曲もかっこよくて絞るのが大変だけど、いま良いと思う6曲を紹介したい。
I can't say no!!!!!!!
歌謡曲のようなメロと歌詞の攻撃力を兼ね備えたこの曲は、新しいBiSの名刺がわりになっている。
千年の恋も冷めさせてく
心・体
がんじがらめだな
さながら宗教
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高みの見物世間様
一撃かましてやりたいのさ
反撃 もう死んじゃって!!
どの楽器も攻撃的。特にギターとドラムが散弾銃のようだ。
観客を煽るBiSのこの熱狂に巻きこまれてほしい。
白塗りにカラフル坊主。
この頃のビジュアルのインパクトは強烈で一度見たら忘れられない。
ロミオの心臓
もともとはペリ・ウブを元気づけるためにプー・ルイが書いた歌詞。
タイトルはThe Yellow Monkyリスペクトで「ロメオの心臓」をもじっている。
僕になくてあの子にはあって
また病んで
ないものねだりが人生
そういうもんじゃない?
最後に"補って生き急ぐ"で結ぶ。
わかってはいたけど、さてはプー・ルイ天才だな。
とにかく歌詞を見ながら聴いてほしい。
ピアノとストリングス、とても意味のある音の配置。
かわるがわるボーカルが移り変わり、Bメロでベースドラムのリズム隊が空気を変えながらサビまで畳み掛ける。
歌詞もメロディーも心のやわらかいところを刺激してきて困る。
アナーキーインザアイドルとは到底結びつかない、ひたすらにやさしい歌だ。
twisted grunge
ミドルテンポで鳴らす小気味のいいカッティングギター。必要十分なシンプル四つ打ち。
派手さはないんだけど、歌詞!
はろーはろー My name is BROKEN わたしひとりで
あいたいあえないろんりでいず no way Oh no
はろーはろー グランジワード わたしひとりが
きみといるみらいを眺めたいだけ
この曲の作詞者であり、はつらつとした声で歌うゴ・ジーラのパートが好き。
それにしてもサビの"my name is broken"ってすごい歌詞じゃない?
そう私は必要ないの
この世界に要らないみたい
ごまかして笑おうとしてみたけど
振る舞えないよ
未来に期待しながらそこに居ない自分も想像してしまう、笑顔で諦めてしまうような切なさ。
歌詞の行間や余白で心の機微を感じさせるこの曲が好き。
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FLY
これは旧BiS時代からの曲。
赤い 赤い 秋の空は さよなら思い出して
高く 高く 飛べなくても もういいよ これしかない
今FLY HIGH
この曲に漂う切実さにやられてしまう。
最後の"FLY HIGH"、張りのある残響のような歌声が聴きたくて、その余韻で途方に暮れたくて何度も再生してしまう。
BiSBiS
BiS再結成時のはじまりの歌。
行かなくちゃ何度だって胸が踊るよ
おもちゃ箱ひっくり返した未来
いけないの?引きずっちゃ
忘れないストーリー
ずっともうずっと失くしたアレ取り返そう
悲喜交々を繰り返すBiSがみせてくれる希望は格別だ。
どんな状況でもいつも笑顔でステージに立ち続ける意味をつくってきた。
この曲はBiSの姿勢を示す永遠のテーマ。
gives
言葉は残酷で 瞳は真っ正直で
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こんな僕が脆(もろ)くていいわけがない
とめどない過去は繰り返す
激しく虚しく響き渡る
思い出す涙止まらない
ヒリヒリしつつも強烈な個性を持った過去のBiS。その幻影から長らく抜け出せなかった新しいBiS。
いわゆる"BiSの呪い"を解いていくのは新しいBiSに課せられた大きな命題だった。
苦しい企画を通して悲壮感をパフォーマンスに昇華していた過去。
その過去を断ち切ろうとするメンバーの思いとリンクするようなMV。
givesが過去と未来を分かつ曲になっていると感じる。
転機があればそれだけ過去は多くなっていく。たぶん新しいBiSは「更新」のストーリーになる。
BiSにまつわるメンバーやファンのいろいろな思いが詰まった曲。
9月からまた新体制
【暫定A写公開!!】
<BiS1st>
ゴ・ジーラ/アヤ・エイトプリンス/パン・ルナリーフィ/トリアエズ・ハナ<BiS2nd>
キカ・フロント・フロンタール/ペリ・ウブ/YUiNA EMPiRE/ムロパナコ/ネル・ネール/ミュークラブの暫定A写を公開します!!
9月2日エビスヤプロ(岡山)お披露目!!https://t.co/o1Pqatx9dp pic.twitter.com/o0qWYYnZKc
— BiS−新生アイドル研究会-オフィシャル (@BiSidol) 2018年7月31日
強烈な光ゆえに燃え尽きて一度解散してしまったBiS。
そんなに命を燃やしすぎなくていいから今度はもう少し長く歌を聴かせてほしい。
9月からまた新体制。BiSの紡ぐ物語を見届けたい。
あ、あとそろそろアルバム出して!











