わたしはいま30代で、活躍しているバンドやアイドルは10代後半から20代という子たち。そういう世代の違いがある前提のもとで読んでほしい。
10代から聴いているようなキャリアのあるバンドや、同世代のバンドももちろんまだまだ音楽シーンでの影響力はある。
ただ若い世代がどんどん出てきて業界の新陳代謝が進むのは、世の理(ことわり)だ。
最近のアーティストはもう兄弟とも言えないような世代だし、自分が年を重ねてきたせいか歌詞の内容に共感できないなと思う瞬間もある。
それなのに、なぜバンドやアイドルにハマるのか。気づけば夢中になってしまうのか。
理由?
メロディー、歌詞、容姿、パフォーマンス...もちろんシンプルにこれらに惹かれる。
どの要素も理由としてそれらしいけど、まだなにかあるような気がしてしっくり来ていなかった。
自分でも長いことバンドやアイドルに夢中になる核心的な理由が分からなかったけれど、「これだ!」と思わず声が出そうになったことがあった。
成長していく過程に魅せられる
大人になってからジャニーズにはまるの人が多いのは、彼らが後天的にものすごい努力をしてることに気づけて、ほとんどの人にとってはそれが難しいってことがわかるのが大人になってからなんだろうなあと思う。 pic.twitter.com/6wt1ZWqtcM
— とり (@sss7tr) 2018年1月11日
これだけファボがついてるということは、それだけ共感する人が多いということだなあ。
彼らは、"誰でもいい"状況から"誰も代わりがきかない"存在に、登りつめていった人たち。
ツイートの内容はジャニーズについての言及だけど、バンドやアイドルに対しても同じことが言えると思った。
なぜそう思うのかは、自分に置き換えて思い返してみればよく分かる。
ちょっとわたしの話をすると、10代後半〜20代半ばまで大学生活を東京あたりで過ごした。
バンド活動にいそしんだり、バイトに精を出したり、行きたい場所へ行き、興味があることには片っ端から手を出した。むしろ、充実した時間を楽しく過ごしてきたと思う。
だけど結局そのなかの一つとして、何か成し遂げたな、やり切ったなと心から思えるものは無い。
それが良いとか悪いとかいう話ではなく、たぶん多くの人が通過する"よくある話"なんだと思う。
だけどそうやって、キラキラして楽しかった一方で何の形にも実らなかったという思いが心のどこかに引っかかっていた。そして無意識に自分の思い出をバンドやアイドルに重ねているんだと気づいた。
そして勝手に想いを託してしまう。夢を叶える姿を見たいと思ってしまう。
20代を一つのことにひたむきに捧げる姿に、どうしようもなく心打たれてしまう。
いま振り返れば、自分のためだけに使えるたくさんの時間は期間限定のものだと身にしみて分かる。
だからこそ、将来が約束された道を絶ってでも、努力して夢を実現していく人には心底憧れてしまう。
真剣に曲を作って、思いを歌詞に託して、血管を浮き立たせて歌う姿。
爆音で楽器を鳴らす姿。
汗を飛ばしながら力いっぱい踊る姿。
MCで言葉に詰まりながらもしっかりフロアを見て話す姿。
そんな姿を見てしまったらもう目が離せなくなる。
勝ちに行く真剣さとか、涙するほどの真っ直ぐさとか、誰も見ていないとしても、わたしはもうそういう姿はさらけ出せないかもしれないから。
だからそういう姿を見せられたらもう無理。一気に好きになってしまう。
気になるとライブやインタビュー、ドキュメンタリーを通じて生々しい一面を見たいとさえ思う。
それから。
みんな何だかんだいって「努力・友情・勝利」の週刊少年ジャンプが好きだと思うんですよ。
下克上とサクセスストーリーが見たくなる。
努力によって自分を磨いて、出来ないことが出来るようになっていく。その過程を恥じずに魅せていく。
大きくなっていく姿を見届けたいと思わせてくれる。
そこにはもしかしたら「自分が成し得なかった」という意味合いも含まれるのかもしれない。
応援する気持ちの奥底には、バンドやアイドルの成功体験を通して自分の過去を肯定したい気持ちもあるかもしれない。
そうなってくると結局、真剣に努力してる人は美しくて惹かれる、ということだ。
たぶんこれからも音楽が大好きだし、好きなバンドもアイドルも出てくると思う。私も何かしら自分を更新し続けたい。
そんな気づきと決意だ。
"ジャンプみたいな人たち"の今を見てほしい
ジャニーズについてのツイートの意味とか、「努力、友情、勝利」というジャンプの三大要素のことを考えていて、真っ先に思い浮かんだグループがある。
いまとても好きで夢中になっている人たちで、GANG PARADE(ギャングパレード)というアイドルだ。
アイドルというけど、曲調はEDMが多いので感覚的にはバンドに近い。アイドルっていうカテゴリーだけでナメてかかる人にも見てほしい。
GANG PARADE(ギャンパレ)は今まで様々な苦難があった。
同じWACKという事務所内の他グループ(BiSH、BiS)が順調に売れていくのを横目に、もどかしく足踏みしているような状況だった。
しかし、ついに昨年から勢いがついてきて、短期間でキャパの大きい会場を続々とSOLDOUTにしている。
魅力は、9人のタフな歌とダンス。
そしてメンバーそれぞれの個性がありながら、チームワークの良さがすごく伝わってくる。
大好きだ、ほんと。
「努力、友情、勝利」を地で行っていて、彼女たちはまさに今、下克上とサクセスストーリーを体現し始めていると感じる。
今年、2018年売れると思うし、たくさんの人に見てほしい。
私はもうすっかりWACK SLAVEになっている。
その話についても、そのうちあらためて書きたいと思う。
こんな記事も書いているので、良かったら読んでください。