【出産体験談】30代で初産|想像以上に大変だった出産で一番大事なのは呼吸

先日、初めての子どもを出産しました。

すでに子どもがいる妹は初めてのお産で2〜3時間というスピード出産だったので、わたしもそうなるんじゃないかと気楽に考えていたフシがありました。

そんな考えは激甘だった。とんでもなかった。

今回は忘れられない初産の経験について、自分の記憶と夫に聞いた内容をまとめています。

身体のことなど一部生々しい表現がありますので、苦手な方は読まないことをおすすめします。

こんな出産でした
  • 30代で初産
  • 予定日を過ぎた出産
  • 陣痛促進剤を使った(緊急)
  • 自然分娩

こういう内容だったので出産を控える方の参考になれば幸いです。

陣痛にいたるまでの予兆

出産予定日を2日ほど過ぎた22時ごろ。

とにかく恥骨がしくしく痛む。トイレに行くと"おしるし"があった。

おしるしとは、子宮口が開くときに出る出血のこと。

血を見て「いよいよだな...」という心境になり、いつ陣痛が来てもおかしくないのでとりあえずお風呂に入る。

いつもどおりに過ごそうと思って、スマホでどうぶつの森をやって、podcastを聴きながら就寝。

翌朝起きると再びおしるしがあり、そのくらいから前駆陣痛のようなものが始まった。

「これが陣痛...?」

痛いといえば痛いけど、我慢できない痛さではないし痛みの強弱も一定ではない気がする。

陣痛は痛みでしゃべれないと聞いていたけど、いちおう会話はできる。

自分では判断できないので、8時すぎに病院へ電話をかける。

スマホアプリで陣痛の間隔を測って記録。

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電話で陣痛らしきものは7分間隔くらいできていることを伝えると、「予定日を過ぎてるし一度みるので来てください」とのこと。

入院用の荷物を全部持って、母の運転で病院へ向かう。

診察をしてもらい入院決定

病院へ到着し、9時ごろ心電図をとり診察があった。

結果この時点で子宮口が5センチ開いているということで入院決定。

お産に向けた病院着に着替える。

助産師実習生も産まれるまで付き添ってお世話させていただきます、とのこと。
事前に承諾していたので同意書にサインする。

陣痛の波が定期的にやってくるので、実習生やお母さんに腰をさすってもらう。

12時すぎに夫が到着し、そのころ昼食が運ばれて来た。

食欲はあるけど、少し食べるとすぐ陣痛が襲ってきてあまり食べられなかった。

陣痛の波を乗り切るときに一番大事なのは呼吸

ベッドに横向きに横たわり、深く息を吐くことで陣痛の痛みを逃して、定期的にやってくる波をやり過ごす。
「いきみ逃し」とも言うらしい。それをひたすら何時間も繰り返す。

呼吸をする時に意識するのは吸うより"吐くこと"。
なるべく長く少しずつ一定の量を吐ききることが大切。
息を吐くことに集中することで少しだけ痛みがまぎれる。

スタッフにすすめられてお産を進めるためにいろいろやった。

  • アロマが焚かれている中、ロッキングチェアに座って揺られる。
  • トイレに行ってみる。
  • 少量でもとにかく何か食べる。

陣痛の波が強くなってきていたが、早く産まれてほしい一心で言われたことは全部やった。

腰と尾てい骨あたりが痛い。貧乏ゆすりが止まらないくらい痛い。

家族がテニスボールで押してくれたりさすってくれたりした。

夕飯が運ばれてくるが陣痛の波が強く、一口も食べられない。

「お産が進んでいるのか分からない」という不安が一瞬頭をよぎったが、後ろ向きなことを考えないよう無心で深呼吸を繰り返す。

気持ち的には時計を見る余裕もなく、時間が分からなくなってきていた。

陣痛室から分娩室へ

いったん診察があって子宮口は8センチくらい開いているとのこと。

20時ごろ分娩室へ移動した。

陣痛間隔3分くらいから縮まらない。疲れからかうまく呼吸できずに、痛みで叫んでる自覚はあった。

そのうち疲れと痛みで多分眠ってたんだろう。このあたりはまったく記憶がない。

気がついたら分娩室が薄暗くなってて夫と実習生しかいなくて、陣痛の間隔も短くならないままだった。

体感で3回に1回くらいすごい勢いの陣痛がきて、深呼吸で痛みを逃せず叫んでしまう。

陣痛の波の合間に少しでも力を抜いて体を休めたり眠ったりするように言われるが、体が強張ってうまく休めない。そして次の波がやってくる。

「辛いかもしれないけど、少しでも何か食べて」と言われる。ビスケットを小さく砕いて口に運んでもらった。

陣痛の痛みは強まるけど間隔は短くならないままだ。疲れと痛みで頭のなかは絶望感でいっぱいになってきていた。

もういっそ切って出してくれ...。
すぐそばにいた夫に「本当に産まれるのかな?」と初めて弱音を吐いた。心が折れそうだった。

寝ているのか寝ていないのか意識が朦朧(もうろう)としているところへ陣痛が来て、現実に一気に引き戻される。
その繰り返しだった。

陣痛促進剤を使って一気に分娩

何時間経ったか分からないが、ある瞬間にものすごい陣痛がきて体に力が入って叫んだ瞬間、パンッと破水したのが分かった。
下半身に生暖かい感触があった。

次に気がついた時、何人かに取り囲まれて少し騒がしくなっていた。
みんな慌ただしく動き回っていた。

医師が、
「母子共に体力が落ちてきていて羊水も濁ってきているので、短時間で一気にお産を終わらせます。
そのために陣痛促進剤を通常の2倍打ちます。
ごくまれに子宮破裂のリスクもあるので、ご主人は同意のサインをお願いします。」
と手短に説明をしてきた。

はっきりしない意識の中でも意味は理解した。
ツッコめる心境じゃないけど、さらっとめっちゃ怖いこと言ってる!

夫は医師から説明された【子宮破裂のリスク】という言葉に動揺しすぎて「夫」という漢字が急に分からなくなり、同意書にひらがなで「おっと」と書いたらしい。さすがに名前はちゃんと漢字で書けたようだ。

あとから聞いて爆笑した。

陣痛促進剤はお産が進むよう人工的に陣痛を誘発して間隔を短くする薬だ。それを通常の2倍打つってどれだけの痛みが押し寄せるんだろう。

恐怖でしかなかったけど、もう早く終わりたいという思いだけで覚悟した。

促進剤を点滴で打たれてから、明らかに強みを増した陣痛がどんどんやってくる。

もう自分では痛みで身体が跳ね回るのを抑えることができなくて、誰かに押さえつけられていた。今までの人生で一番大声が出てたと思う。

足や腰回りに何か巻かれて、酸素マスクをとりつけられた。

助産師さんに「強い陣痛がきたら、思い切りいきんでください」と言われた。それにあわせてお腹を押すという。

それから「叫ぶと力が逃げちゃうから、便秘の時みたいに声を殺してふんばるようにして」と無理な注文もされた。
(いま冷静に考えると痛みのスケールが違いすぎるけど、わかりやすい笑)

強い陣痛の波がやってくるたび、「もう裂けてもなんでもいい、早く出てきてくれ!」とそれしか考えられなかった。
5回くらいいきんで、そのたびにお腹を思い切り押された。

下半身がしびれたようで感覚がなくなってきていたが、何か大きな塊が少しずつ下に下がっていくのを感じる。

家族も「あともう少し、もう出てくるよ」とずっと励ましてくれていた。

出てきた瞬間、すぐに赤ちゃんは泣き始めた。「おめでとうございます!」と次々に声をかけられる。

近くで産後の処置をされている、産まれたばかりの我が子の様子を気にするような余裕は全くなかった。感動や安心感で涙することもなかった。

「終わった...」ということしか考えられず、ただ分娩台の上で放心状態だった。夫や母は赤ちゃんの処置の隙をみて、邪魔にならないようひかえめに写真を撮っている。

結局夜中4時ごろに産まれたが、3800gを超えていた。そりゃなかなか産まれないわけだよ...。

「多く出血して傷も大きいので麻酔をして縫います」と言われ、縫われている間は意識すると怖いのでずっと深呼吸していた。

立てている膝がプルプルする、もう下半身に力が入らない。

出産直後は疲れ果てて記憶があまりないが、興奮状態なのか目は冴えていた。

いつのまにか眠っていて目覚めた時には2時間ほどしか経ってなかったけど、すっかり日が昇っていた。

助産師さんが「快晴ですごく良い天気ですよ。こんな気持ちの良い日に産まれてくれて良かったですね。」と言って、窓を開けて外の様子を見せてくれた。

肌寒い空気が少し入り込んできて、朝日が眩しかった。

長かった出産は終わったんだなとようやく実感できた。

出産後に思ったこと

十人十色でまったく同じ形の出産は無い。

体験談は参考程度にしかならない。自分の母親がそうだったから、友達はこうだったから、というのはいま考えると自分に当てはまることは少ないです。

24時間以上かかる人もいるし、分娩台に上がって15分で産まれたという話も聞いたことがあります。

ひとつ言えることは、出産のリスクは誰にでもあるということ。

また、入院中に起きた産後の身体のトラブルや、妊娠中に本当にやっておいたほうが良いことなど関連した記事をマイペースに書きたいと思います。

わたしは入院中分からないことだらけで片っ端から体験談や知恵袋を検索しました。

それだけ質問や回答があるということは、みんな分からないことばかりで不安なんだ。

同じ出産はないけれどこの記事が読んでくれたあなたの参考になれば幸いです。

現場からは以上です。

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