わたし以外のすべてが寝静まっている夜中3時にようやく家に帰る。
朝7時にはまた会社に行かなきゃ。30分でシャワー浴びて身支度すれば3時間くらい寝られるかな・・・。
疲れきった体と、妙に冴えた頭で考えられるのはこれだけだった。
もう2ヶ月近く休んでない状況から「この生活を何年も繰り返すのは無理だ」ということくらい、とっくに分かっていた。
しかしそれ以上考える余裕もなく、ただ毎日に追い立てられていた。
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はじめまして。わたくし炭酸(@north_b77)と申します。
冒頭の独白はおおげさでもなく事実なんです。
数ヵ月の繁忙期で億単位の売り上げを毎年つくっていく。これが仕事。
一番忙しいときは月の残業時間が200時間をゆうに超え、失敗できないプレッシャーのなかで心身のバランスがおかしくなりそうでした。
1日の労働時間が7時間だとしても下手したらその倍の14時間働いている計算です。ザ・ブラック企業。
光の見えない繁忙期をなんとかくぐり抜けたとき、ほっとしたというよりはむしろ焦りを感じた。
ひねりっぱなしの蛇口、そこから水が淡々と流れ落ちていく感覚。
このまま働いていいのか、時間をこのまま過ごしていいのかと毎日考えるようになり、その焦りと同時に「自分にとっての幸せってなんだろう」という疑問が浮かぶ。
そんな思いが心に沈殿していって、日に日に重くなるばかりでした。
好きなものをもう一度大事にしてみたい
忙しい時期が終わった矢先に妊娠が発覚。一緒に働くスタッフも気をつかってくれて仕事の量はどんどん減りました。
ひまな時期に入ったことに加えて仕事がなくなり、自然と自分を見つめ直すことが増えました。
しばらく失っていた心の余裕が戻ってきて、再び音楽を聴いたりイベントに出かけたりするようになって気付いたこと。
それはやっぱりわたしはカルチャーが好きなんだということ。
図らずも、心が追い込まれたことで自分が好きなこと・大切にしたいことが浮き彫りになりました。
そこで個人ブログに心に残ったことを書いていこうと思ったわけです。
写真をアルバムに収めるように、そのとき感じた気持ちを言葉にして棚卸ししていきたい。ブログは自分のメディアをつくるみたいでいいなと思ったし、備忘録にもなる。
好きなことはいつまでも存分に楽しめばいい。そうやっていつかは読んでくれる人の背中を押せたらな、と強く思ったのです。
その思いは、わたし自身のある思い出が大きく関係しています。
"好き"の原体験
間違いなくわたしの人生に影響を与えているエピソードがあります。
子ども時代のわたしは、お小遣いをもらったその日のうちに全額使い切らないと気がすまない病気にかかっていました。
一方で、テレビやゲームはかなり制約されていたので、テレビやゲームの流行をほとんど知らなかった。
友達の話題に少しずつついていけなくなったこともあり、お小遣いはマンガや小説につぎこみ、ラジオを好んで聴くようになりました。
そうなるといよいよ同世代との話は合わなくなるばかりで、「誰も理解してくれる人はいない」と悲しみに浸るようになりました。
ただ、同時に「同級生が知らない世界をのぞいているのでは?」と少しだけ誇らしい気持ちがあったことも確かです。
そうやってわたしの気持ちが閉じていくなかで、唯一楽しみで救われることがありました。
それは、通っていた美容院のお姉さんと話すこと。
わたしと10歳ほどしか変わらない、当時まだ美容師駆け出しらしかったお姉さんは、いつも好きなマンガや音楽の話をしてくれました。
北斗の拳やブラックジャックの面白さ、パンクやロックの楽しさをキラキラした目で語ってくれました。
「こんなに好きなことを無邪気に話す大人がいるんだ・・・」
話してくれる内容がわからなくても、熱く伝わるものは確かにありました。
そして「炭酸ちゃんは最近どんなことが好きなの?」と聞いてくれ、わたしの返答には決まって「それすごくいいじゃん!」と認めてくれた。
だから「好きなものは好きだと胸をはっていいんだ」と初めて思えました。
わたしは物心ついたときから気づけば音楽が大好きだった。
でも田舎の店で買えるCDや入ってくる情報は少なくて、頼りにしていたのはラジオとインターネット。
あるとき偶然見つけたHMVのウェブサイト。
45秒くらいの短い時間でも、買っていないCDが視聴できる!!
貧乏高校生にはそれは大きな衝撃でした。
芋づる式に表示されるおすすめ音楽をかたっぱしから聴いて、どんどんのめりこんでいまに至ります。
音楽が一生の楽しみになりそうなのはあの頃のわたしをまるごと、お姉さんが認めてくれたおかげです。
好きだと思えることを続けて気づけば20年近く経ちました。
結婚式でヘアメイクをしてくれたあのときの"お姉さん"に、「好きなものを好きだと胸をはって言えるようになったのは、あなたのおかげです」とようやく感謝の気持ちを伝えることができました。
感極まってしまって2人で泣いたことはたぶんこの先ずっと忘れないと思います。
誰かの背中を押す人は、愛をもって"好き"を語る人だ
いままで話してきたように、好きなことを熱く語ったり認め合うことはとても魅力的です。
それは自分の"好き"を認めてもらえることでわたし自身が救われてきた、という経験があったからです。
だからこのブログでは「愛を持って語ることは誰かの背中を押せる」という信条のもと、わたしの好きなことを軸に、読んでくれるあなたにもプラスになることを書いていきます。
1日の終わりにカフェで友達とまったり話すような感覚で読んでもらえたらうれしいです。
炭酸の経歴
長野県在住。
30代サラリーマン。女。
【趣味特技】
ベース、ギター
音楽を聴く・掘る
読書
ラジオ
【好きな食べ物】
炭酸、カレー、寿司
【当面の目標】
7年後に家族で海外旅行
囲炉裏のある音楽スタジオを建てる
【炭酸のざっくり年表】
・長野県出身。
・物心ついた時から音楽が好きだった。
・高校卒業後は進学して神奈川県に住む。
・バンド活動とエレキベースのローンを支払うためバイトにいそしむ。
・地元の長野県へもどりUターン就職。
・街コンで出会った彼と意気投合してサクッと結婚。
・合意のうえで円満な家庭内別居生活を進行中。
最後に、このブログを見つけて読んでくださり本当にありがとうございます。