ROTH BART BARON(ロットバルトバロン)「HEX」 | 内省的な音に帯びる熱

すごく好きなアルバムが耳に届いた。

国府達矢つながりでいろいろ聴き漁っていて、電子音が入りつつもどこか漂うフォークの匂いが心地いいROTH BART BARONを素通りすることはできなかった。

国府達矢についてはこちら。

細い声のボーカルも楽器の一部のように鳴る。その響きはオルタナティブだけどアンビエントのよう。

アンビエントは環境音楽と定義されているが、その空間に漂う本質のようにも感じられる。

「こういうコードにこういう歌詞を乗せて、こういうサウンドで鳴らすと人は感動する」というようなヒットの法則よりも、もっと音楽の根源的なところ興味を持ったんですよね。
僕が音楽に感動するのは、そういうヒットのテンプレに則っているからじゃなくて、作り手のアイデアや生き方、作品の本質に共感しているからなんじゃないかと。
「100万枚ヒットを出すための法則」ってあると思うんですけど、それに則って作られていない音楽に、僕は感動するんですよね。

引用:なぜROTH BART BARONは「孤高の存在」になりえたのか?

音楽ってもともと何なんだ?と起源を考えたとき、真っ先に浮かんだのは信仰。儀式や祭りの歴史を重ねて感情表現としての意味合いも加わっていったように思う。

いずれにしても強い願望や気持ちの代弁としての役割を音楽が担ってきたはずだ。だから音楽を考えて紐解くことは人間の本質を捉えることに限りなく近いとも言える。

そう考えれば、彼らの本質的な音楽に惹かれるのは必然かもしれない。

アナログとデジタル(打ち込み)が同居していて、どんな音が鳴っているのか耳を傾けている時間が尊く感じられる。

聞き流しながらの音楽じゃなく、正面から向き合う音楽には昨今なかなか出会えない。ただ音楽を聴くだけに時間を割くのは、いつの間にかすっかりぜいたくな行為になっている。

隠れてないで こっちにおいでよ
そこはあまりに寒すぎる

君が泣くのなら 僕らは笑おう
呼吸をわざと合わせて

威勢の良いドラム、ホーンをバックにしたシンガロング。わたしはそれだけでもう幸せになれる簡単な脳みそだ。

偶然にも最近ゴッチがオススメしていた。


アルバムに収められているのは少しアレンジが異なる。一見、声質と結びつかない秘められた熱がなんとも不思議だ。息子が寝たあと、静かな暗闇のなかで聴きながら寝るとしよう。

あなたもグッドミュージックで心地の良い眠りを。

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